当店で模様の復帰をおこなった110年以上前の英国シンガー製モデル27Kの足踏みミシンです。来店時は真っ黒のミシンでした…
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シンガーのモデル27K足踏みミシンです。今回アンティークの雰囲気と美しさの両方にこだわり整備いたしました。1900年製のもので当店へ到着時にはミシン本体は真っ黒で絵柄も残っていませんでした…そこで思い切って絵柄をつけよう!ということで出来上がったのがこちらの足踏みミシンです。模様はティファニー柄と呼ばれるデザインで、こちらの機種でもごくごく稀にしか見られない模様です。写真でも分かると思いますがゴージャスの一言です!ミシン本体にしても台にしてもツヤを出す塗装のみではけばけばしさというか不自然な感じが否めません。当機はそれを解消すべく手磨きをして完成させました。こんなアンティークがあったら絶対に目を引きます!
機械はモデル27Kといってボビンケース(釜)に弾丸型シャトルを使用する機種でシンガーではロングセラーになったモデルですが、もちろん縫えるように分解掃除をして調整いたしました。ミシン針はいまの家庭用ミシン針が使用できます。シャトルは現状で古いものを使用していますが、ボビンとシャトルも新しいものが入手できるようになってきました。ゴム輪やベルトといった消耗品も入手は容易です。
台はマホガニー仕様。広い面には今ではお目にかかりにくい板目のマホガニーツキ板で化粧されています。赤みを帯びた色合いは年季が入らないと出ない色です。木のコンディションもこの年代のものとは思えないくらい傷が少なく塗装で守られていたためか状態は悪くありませんでした。全ての古い塗装を落として再塗装をいたしました。塗料には植物由来のステイン、天然樹脂のシェラックニスを使用しました。いずれも古くからアンティーク家具の補修や塗装に使われてきました。石油系シンナーなども使用しておらず、またホルムアルデヒドの吸着効果もあると言われています。ただ、熱やアルコールに弱いので、熱いコーヒーカップや消毒アルコールなどを置かないようにしてください。また水気のある花瓶も避けた方がよいでしょう。
鋳物の脚も良く見ると面が平らではなく窪みがあり、それも脚を立体的に見せる要素となっています。ベルト車とペダルを結ぶクランクには木製の棒が使用されています。ミシンを使用しないときの蓋も無垢材で構成されていて、こちらも重厚感があります。蓋には鍵もついています。脚は分解クリーニング後に再塗装をして本体との連動の調整もしております。
これは飾っておくのにはもってこいの足踏みミシンです!
消耗品 | 市販 | |
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ミシン針 | 家庭用ミシン針 | ◎ |
ボビンケース | 専用弾丸型シャトル | △ |
ボビン | 専用ボビン | △ |
ゴム輪 | 外径31mm程度 | ◎ |
ベルト | 家庭用革ベルト | ◎ |
◎:手芸店で新品入手可能 ○:専門店で新品入手可能(かも) △:ミシン専門店でも新品入手難 ×:アンティーク品のみ存在 |
主な機能 | |
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縫い目調整 | ○ |
返し縫い | - |
上糸調子 | ○ |
下糸調子 | ○ |
押え圧力調整 | ○ |
サイズ(横x奥x高さ) |
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88.5 cm x 41cm x 74 cm |
※高さは天板上面まで。幅は拡張時112.5cm |
その他の特徴 |
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説明書(後継機種127)のコピーをお付けします。