SINGER 29-4、シンガー製の八方型足踏みミシンです。靴・バッグなどの革や厚地を縫うためのミシンです。純正な部分が多い1台。
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シンガーモデル29-4、八方ミシン型のアンティーク足踏みミシンです。こちらも分解掃除や摩耗部分の交換、調整などを経て出品に至りました。機械には交換した摩耗箇所もありますが、模様はこちらはオリジナルのままを採用しました。100年前の工業用ミシンにしてこの程度の模様の残り方は平均的かそれ以上の状態です(ほとんど真っ黒のものが多いのです)。場所によってはこのような年季を経た姿が似合いますね。機械の動きは当店の他の29型と同じくいかにもマシンらしい逞しいリズムを奏でる足踏みミシンです。
この種のミシンは、シンガー八方ミシンなど呼ばれますが、元はシンガー29型がオリジナルでそれを模倣したのが八方ミシンなのです。八方ミシンとは日本のメーカーで、29型のようなミシンを製造していた会社です。SINGERの29型ミシンがユニバーサルフィード(四方八方360度どちらでも送れる)を備えているため、八方ミシンと名付けられたのだと思います。それにしても外装の飾り気はその後に他メーカーに作られた複製品にはない気品があります。
針は専用のミシン針(DIx3など)が使用できます。ボビンケースは新品に交換しました。ぴかぴかです!ベルトは直径8ミリの滑りにくい工業用の革ベルトに交換しました。ボビンは29シリーズで使用されているものの中で小さい方のものです。針棒に糸を通す専用の糸通し金具もお付けいたします。
機能については、前述のユニバーサルフィード・下糸巻き・糸調子・押え圧力調整・押え高さ調整・送り幅の調整があります。糸に潤滑剤をつけるためのカップもありますね。
モデル29に共通していえることは機械内部がかなり汚れている(古い油汚れ等が溜まっている)ことで、こちらの機械も分解して念入りにクリーニングをしました。磨耗があった部品は交換し、油の届きにくい場所にはグリースアップをしておきました。使用したグリースは黒っぽいものですので、決して汚れではございません。ご安心下さい。その他の部品で気になる点がございましたらご相談下さい。
試し縫いでは牛革4mm厚を革用ミシン針18番と糸20番で縫っています。生地からの糸抜けが悪いときはワックスの使用を検討するとよいでしょう。
消耗した部品は交換しましたが、さらに気になる点をお知らせいただければ交換や手直しもいたしますので、お気軽にお問合せください!
消耗品 | 市販 | |
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ミシン針 | 工業用ミシン針 DIx3等 | ○ |
ボビンケース | 専用ボビンケース | ○ |
ボビン | 専用ボビン | ○ |
ゴム輪 | 外径31mm以上 | - |
ベルト | 職業用革ベルト以上 | ◎○ |
◎:手芸店で新品入手可能 ○:専門店で新品入手可能(かも) △:ミシン専門店でも新品入手難 ×:アンティーク品のみ存在 |
主な機能 | |
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縫い目調整 | ○ |
縫い目最大幅 | 約3.5mm(再調整中です!) |
返し縫い | - |
上糸調子 | ○ |
下糸調子 | ○ |
押え圧力調整 | ○ |
押え最大高さ | 約5mm(納品前に調整可能) |
サイズ(横x奥x高さ) |
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70 cm x 47cm x 113 cm |
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その他の特徴 |
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縫い目の長さは素材や設定等で変わります。 |
シンガーモデル29は内部に油汚れ等がかなりの量溜まっていますので、細かく分解してクリーニングいたしました。※今回3台を一遍に分解しましたので写真と商品が合致しないかもしれませんが、全て同じような作業をしております。
説明書(日本語訳済)のコピーをお付けします。